WEリーグの役員人事に関するWomenSport Internationalの声明について

JAICOWS宛てに,WomenSport International(WSI)から声明が届きました.
WSIは,国連経済社会理事会の諮問資格を有する女性とスポーツに関わる組織であり,ユネスコ,IOC,その他の主要なスポーツ団体に学術的な視点を含めた助言を行っています.
声明では、日本のWEリーグが先日行った役員人事が問題視されています。

WEリーグは,Women Empowerment Leagueの略称であり,公益社団法人日本女子プロサッカーリーグおよび同法人が運営するプロサッカーリーグを指します.
2024年9月,WEリーグは役員改選を発表しました.この発表によれば,第三代チェア(理事長)に野々村芳和氏が着任し,理事9名のうち女性が占める割合が3名となりました.リーグ名称が示す女性のエンパワーメントという理念を後退させたと言わざるを得ません.同時に,スポーツ庁がスポーツ団体向けに女性役員割合を40%以上とすることを定めた「ガバナンスコード」にも反しています.

この変更に対するメディア等の反応も鋭いとはいえません.
この状況は,サッカーを通じた女性のエンパワーメントという理念に財的・組織的支援を行っていない日本の現状,ひいては女性の活躍支援に対する日本社会全体の意識の不十分さを示しています.この現状をみたWEリーグの選手,女性,女の子たちは,どのように感じるでしょうか.女性がリーダーとして活躍することへの不安や諦めを感じるのではないでしょうか.

WSIの声明では,WEリーグの今回の役員人事の背景に「資金調達」という課題があることを踏まえつつ、「男性役員のほうが資金調達に成功する、というデータや過去の裏付けはない」ことが明確に指摘されています.

JAICOWSは,女性科学研究者の環境改善をテーマにする組織です.私たちの課題認識は,WEリーグに起きた事態に通底していると考え,本サイトにWSIの声明を掲載いたします.

WSIの声明(英語版)

WSIの声明(日本語版)